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祝聖霊降臨

2024年5月17日・18日 聖霊降臨

ヨハネによる福音書15章26~27節と16章4b~15節

 

福音書  ヨハネ 15:26~27;16:4b~15 (新199)

15:26わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。 27あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。

 

16:4b「初めからこれらのことを言わなかったのは、わたしがあなたがたと一緒にいたからである。 5今わたしは、わたしをお遣わしになった方のもとに行こうとしているが、あなたがたはだれも、『どこへ行くのか』と尋ねない。 6むしろ、わたしがこれらのことを話したので、あなたがたの心は悲しみで満たされている。 7しかし、実を言うと、わたしが去って行くのは、あなたがたのためになる。わたしが去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである。わたしが行けば、弁護者をあなたがたのところに送る。 8その方が来れば、罪について、義について、また、裁きについて、世の誤りを明らかにする。 9罪についてとは、彼らがわたしを信じないこと、 10義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなること、 11また、裁きについてとは、この世の支配者が断罪されることである。

12言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。 13しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。 14その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。 15父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」


ペンテコステおめでとうございます。今日は聖霊降臨の主日です。聖霊降臨(ペンテコステ)は、使徒たちの上に聖霊が降ったことと、それをきっかけに伝道が開始され、教会が生まれたことをお祝いする日です。イースターから数えて50日目のこの日、聖霊が降り、この地上に新しい神の力がもたらされました。聖霊が降るということは、あらかじめイエス様によって約束されていたことです。その約束が実現し、天に上げられたイエス様に代わって、この地上に聖霊なる神がやってきてくださったことを私たちは記念しています。


今日の聖書の箇所はヨハネ福音書の15章と16章です。いわゆるイエス様の告別説教と呼ばれる場面です。イエス様は捕らえられて十字架にかけられる前、弟子たちに対し、最後の言葉を語られました。そんなイエス様の最後の説教では三つのことが語られています。それは「迫害の予告」「信仰に留まることへの勧め」そして「聖霊を送るという約束」です。このとき約束された聖霊が、ペンテコステの日、使徒たちに降ることになります。ヨハネ福音書では、聖霊の約束は迫害の予告と同時に語られているのです。


そのような場面でイエス様はこのように言われます。「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。」真理の霊、すなわち聖霊はイエス様について証しをなさる方です。そして弟子たちも同様に、イエス様について証しをするようにとイエス様は言われています。しかし証しをするにあたって、弟子たちを取り巻く環境は厳しいものでした。彼らを迫害する人がたくさんいたのです。今日の日課は15章27節の後、16章の1~4節が飛ばされて、16章5節に接続していますね。省略された16章1~4節には「人々が弟子たちを追放し、殺すだろう」ということが語られています。実際に、ヨハネ福音書が書かれた当時の教会は深刻な迫害に直面していました。


したがって、これらのことを聞いた弟子たちの心は悲しみに満たされます。人々に迫害される上にイエス様を失い、助け手もなく取り残されるのでは、打ちひしがれるのも当然です。この時弟子たちはまだ、イエス様の死を復活の栄光とは結びつけていません。彼らにとって死はあくまでも終わりであって、永遠の別れでありました。ヨハネ福音書が伝えているのは、イエス様の死は神様のご計画の一部であったということです。イエス様が地上を去るということは天の父のもとへの帰られるということであり、初めからおられた栄光の座へ帰られるということでありました。しかし弟子たちはまだそのことを理解するほどの力を持っていませんでした。


そんな弟子たちに対してイエス様は聖霊を送ると約束されます。その約束の聖霊が弟子たちを迫害から守り、イエス様の言葉を悟らせてくださると言われるのです。わたしは去って行かなければならない、しかし私は聖霊を送る。聖書によれば、聖霊は、イエス様を信じる者の弁護者であり、助け手であり、世の誤りを明らかにし、真理を告げ知らせるお方です。聖霊はまた、イエス様のおっしゃったことを地上で語り、神様の御心とイエス様の言葉の意味を、私たちにより明らかに悟らせてくださるお方です。聖霊が来てくださることによって、弟子たちは迫害の世にあって弁護者を得、今はまだ理解することのできないイエス様の言葉の本当の意味をついに理解することができるのです。


イエス様は、あなたがたは世に憎まれる、敵対されると、はっきりと語られます。しかしイエス様は敵を滅ぼしなさいとは言われません。やられたらやり返せとも言いません。憎まれるけれども、私が遣わす聖霊が必ずあなたがたを守ってくれる、そのことだけを言われます。迫害者たちは弟子たちを追放し殺すかもしれませんが、弟子たちは同じように相手を追放したり殺したりする必要はありません。聖霊が働いて彼らを助け、彼らに代わって世の中に真実を告げるからです。弟子たちは弁明も、裁きも、ただ聖霊にゆだねていればいいと言われています。その上でイエス様が命じられるのは、イエス様の愛のうちに留まること、互いに愛し合うこと、それだけです。


聖霊は信仰者を守り助け、私たちの間に平和をもたらしてくださる私たちの助け手です。憎しみや暴力が支配する世の中にあって、聖霊は人に代わって真実を告げ、神について正しく証しをしてくださいます。また、聖霊の働きによって私たちはより深くイエス様の言葉を理解し、神様の御心を悟ることができます。ペンテコステの日、使徒たちに降った聖霊は、今も私たちの間に満ち、休むことなく働いてくださっています。ペンテコステおめでとうございます。聖霊に満たされてこれからも信仰生活を送ってまいりましょう。



5月17日・18日 教会の祈り

 

司)祈りましょう。

 

全能の神様。この日あなたは約束された聖霊を送り、その光によってすべての民の心を照らしてくださいました。福音の宣教によって、この聖霊がますます世界に注がれ、地の果てにまで広がりますように。私たちが聖霊によってあなたの御心を悟り、常にその助けを喜ぶことができますように。

 

恵みの神様。聖霊の導きによって建てられたすべてのキリスト教会を祝福してください。歴史や考え方の違いからこの世には様々な教派が存在しますが、私たちはみな父、子、聖霊の一つの神を信じています。すべての信仰者たちがあなたに愛された者として互いに愛し合うことができますように導いてください。

 

慈しみの神様。社会福祉法人光の子会のために祈ります。光の子会の利用者のみなさん、職員のみなさん、そして組織を支えるルーテル教会を顧みて、祝福してください。光の子会の営みを通して、ますます主の栄光が証しされますように。

 

私たちの主イエス・キリストによって祈ります。

会)アーメン

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